大判例

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東京地方裁判所 昭和42年(ワ)3298号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔判決理由〕いま試みに、適正利廻りを一般金利なみに法定利率年六分をとつて純賃料を計算すると、本件土地の純賃料は昭和三九年七月一日現在、年額坪当り五、九二八円と算出される。しかしながら、一般に、地代の社会的、法律的制約等に起因する硬直性の故に、近時は貸地の利廻りが一般金利水準より低くなつているのが実状であることが当裁判所に顕著であり、畠山鑑定も、とりわけ十年以上を経過した継続賃貸借の場合「住宅地において二%以下、商業地において四%前後であることが普通である。」と述べている。これは、現にあるべき賃料があるべき賃料に追いつかないためと言つてしまえばそれまでであるが、近年の地価の甚しい騰貴には多分に投機的要素が含まれていることは公知の事実であつて、それをそのまま地代に反映させることがそもそも問題であることや、地代の伸び率が地価の上昇に比して比較的緩慢なのはその性質上やむをえない側面をもつていることなど諸般の事情を考慮すると、右の如き現状は必ずしも不合理なのではない。そこで畠山鑑定は本件土地の適正地代を算出するに当り、適正利廻りを年四分、藤沢鑑定は2.1分としている。藤沢鑑定は賃貸借契約当初の合意賃料の額を基礎にして、当時の利廻りを推定し、これをその後においても基準にしようとしたものであるが、これはたしかにひとつの考慮すべき要素ではあつても、それのみを唯一の基準として固定化してしまうのは相当でないから、当裁判所は、本件土地が都心部に近い商業地帯(但し、小売商店街には不適なので問屋が多い)にあることその他諸般の事情を考慮し、本件土地の期待利廻りを年三分五厘と計上するのが穏当であると考える。そこでこれによつて純賃料を算定すると、本件土地の昭和三九年七月一日当時の純賃料は、年間坪当り三、四九三円となる。(海老沢美広)

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